2023年3月3日金曜日

梅の開花

 太宰府市に寄贈頂いた梅の木が開花しました。

せせらぎ横に植栽した「鶯宿梅(オウシュクバイ)」

梅なので、出来上がった実は梅干しにと思う方も多いかもしれませんが、

この品種は梅酒・梅ジュースに向いている品種だそうです。


また、平安時代の歴史物語「大鏡」での逸話で有名です。

紀貫之の娘、紀内侍(きのないし)が詠んだ短歌


「勅なれば いともかしこし 鶯の 宿はと問いはば いかがこたえむ」


要約は、勅命(天皇のご命令)とあらば、私は(梅を)謹んで献上いたします。

しかし、この梅の枝に宿る鶯が今年も再び飛んできて「私のおうちはどこ?」

と尋ねられたら、私は何と答えればよいのでしょう。


紀内侍、は庭に植えてあった梅の木を亡き父の形見として大事にしていました。

しかし、勅命により梅の木を捧げなければなくなり、

ほどなく、梅の木は天皇の家(清涼殿)へ移植されました。

天皇は大変お喜びになりましたが、小枝に短冊が結ばれており、

先の短歌が書かれていたそうです。

形見と知らず、済まないことをしてしまったと、すぐに元の場所へ梅の木は戻ってきました。


故人を思う気持ちは昔も変わらないものです。

鶯宿梅をご覧になられましたら、ぜひこの物語を思い浮かべて頂ければと思います。






タビット看板とともに

鶯宿梅まだ苗が新しいので小ぶりです